VARIANT は、PHP の zval と同等の COM の値です。構造体形式になっており、 異なる型の値を含めることが可能です。COM 拡張モジュールが提供する VARIANT クラスによって、PHP と COM の間のデータの受け渡しを制御できるように なります。
VARIANT クラスのコンストラクタ。パラメータは以下のとおりです。
初期値。省略したり NULL を設定した場合には、VT_EMPTY オブジェクトが作成されます。
VARIANT オブジェクトの content 型を指定します。使用可能な値は、 VT_XXX 定義済み定数項参照XV, COM と .Net (Windows) のうちのひとつです。
PHP 5 より前のバージョンでは、type
に
VT_BYREF を加えることで PHP から variant
オブジェクトに参照渡しをさせることが可能でした。PHP 5 では、
この方法はサポートされていません。そのかわりに、PHP 5 では
パラメータが参照渡しされた場合にそれを自動的に認識します。
VARIANT オブジェクトとして渡す必要さえありません。
VARIANT 型についてのその他の情報については、MSDN ライブラリを参照ください。
文字列を unicode に変換する際に使用するコードページを指定します。 詳細な情報については、 COM クラスの同名のパラメータを参照ください。
PHP 5 より前のバージョンでは、VARIANT クラスのインスタンスには 多くの(ドキュメント化されていない)仮想プロパティが存在します。 これらのプロパティは PHP 5 ですべて削除され、かわりにより自然な構文で アクセスできるようになっています。これらの違いについて、以下の例で 説明します。
このように変更された理由は、内部的には、COM 拡張モジュールが VARIANT、COM および DOTNET クラスを同一のものとして扱い、これらの クラスのプロパティやメンバへのアクセスは(何のインターフェースも 経由せず)直接 COM とやり取りを行うようにするという設計思想によるものです。 新しい構文は、より自然でより手軽です。また、削除された仮想プロパティの ほとんどは、PHP のコンテキストにおいては何の意味も持たないものでした。
注意: PHP 5 では、VARIANT を扱うためのよりシンプルな手段をとっています。 値を返したり variant プロパティを取得したりする際に variant が PHP の値に変換されるのは、情報を失うことなく型変換ができる型が 存在する場合に限られます。それ以外の場合は、結果は VARIANT クラスの インスタンスとして返されます。明示的にキャスト演算子を指定することで variant を PHP のネイティブ型として扱うことが可能です。また、 print() を使用すると、暗黙のうちに値が文字列に 変換されます。variant に対する計算のためのさまざまな関数が用意されており、 型変換でデータを失うリスクを犯さなくてもそのままの形式で計算を 行うことが可能です。
variant_get_type() も参照ください。