CLXVII. Tokenizer 関数

導入

tokenizer 関数は、Zend Engine に組み込まれた PHP tokenizer への インターフェイスを提供します。以下の関数により、 字句解析レベルの言語処理を行うことなく、PHP ソースを解析/修正する ツールを作成することが可能となります。

トークンに関する付録も参照ください。

要件

外部ライブラリを必要としません。

インストール手順

PHP 4.3.0 以降、以下の関数はデフォルトで有効となっています。 これ以前のバージョンの場合、 --enable-tokenizer を指定して PHP をコンパイルする必要があります。 --disable-tokenizer を指定すること により、tokenizer サポートを無効とすることができます。

Windows 版の PHP には この拡張モジュールのサポートが組み込まれています。これらの関数を使用 するために拡張モジュールを追加でロードする必要はありません。

注意: tokenizer の組込みサポートは PHP 4.3.0 で利用可能となりました。

定義済み定数

この拡張モジュールを組み込んで PHP をコンパイルするか、あるいは実行時に 動的にモジュールを読み込むと、付録S に挙げられている トークンが定数として定義されます。

以下に tokenizer を用いた簡単な PHP スクリプトの例を示します。この例は、 PHP ファイルを読み込み、ソースから全てのコメントを削除し、コードのみを 出力するものです。

例 1. tokenizer によりコメントを削除する

<?php
/*
* T_ML_COMMENT は PHP 5 には存在しません。
* 以下の 3 行で、古いバージョンとの互換性を確保するために
* これらを定義しています。
*
* その次の 2 行では、PHP 5 にのみ存在する T_DOC_COMMENT を定義しています。
* T_ML_COMMENT が存在するかどうかで PHP 4 かどうかを判断しています。
*/
if (!defined('T_ML_COMMENT')) {
    
define('T_ML_COMMENT', T_COMMENT);
} else {
    
define('T_DOC_COMMENT', T_ML_COMMENT);
}

$source = file_get_contents('example.php');
$tokens = token_get_all($source);

foreach (
$tokens as $token) {
    if (
is_string($token)) {
        
// 簡単な1文字毎のトークン
        
echo $token;
    } else {
        
// トークン配列
        
list($id, $text) = $token;

        switch (
$id) {
            case
T_COMMENT:
            case
T_ML_COMMENT: // we've defined this
            
case T_DOC_COMMENT: // and this
                // コメントの場合は何もしない
                
break;

            default:
                
// それ以外の場合 -> "そのまま"出力
                
echo $text;
                break;
        }
    }
}
?>
目次
token_get_all -- 指定したソースを PHP トークンに分割する
token_name -- 指定した PHP トークンのシンボル名を取得する