socket_select() はソケットの配列を受け取り、 それらの状態が変化するまで待ちます。BSD のソケットについての 知識がある方なら、これらのソケットの配列が、いわゆるファイル記述子 セットであることがご理解いただけるでしょう。3 つの独立した 配列で、ソケットリソースが監視されます。
配列 read
に挙げられたソケットでは、
文字が読み込み可能になっているかどうか(厳密に言うと、読み込みが
ブロックされていないかどうか - 実際には、ソケット記述子はファイルの
終端でも有効です。そのような場合、socket_read()
は長さゼロの文字列を返します)を監視します。
配列 write
に挙げられたソケットでは、
書き込みがブロックされていないかどうかを監視します。
配列 except
に挙げられたソケットでは、
例外を監視します。
警告 |
終了時に配列は書き換えられ、どのソケットの状態が変わったのかが わかるようになります。 |
socket_select() のすべての配列を設定する必要は ありません。使用しないものについては空の配列や NULL をかわりに 指定しておくことが可能です。また、これらの配列は参照渡し であり、socket_select() をコールした後でその中身が 書き換えられていることに注意しましょう。
注意: 現状の Zend Engine の制限により、関数の参照渡しパラメータに NULL のような定数値を直接渡すことができません。一時的な 変数を使用するか、あるいは一番左に一時変数を使用する式を 使用してください。
tv_sec
および tv_usec
は、ともにタイムアウトを指定するパラメータです。
タイムアウトは、socket_select()
が結果を返すまでの経過時間の最大値です。
tv_sec
はゼロにすることも可能で、そうすると
socket_select() は結果をすぐに返します。
これはポーリングをする際に有用です。tv_sec
に NULL(タイムアウトしない)を指定すると、
socket_select() は無期限にブロックします。
成功した場合は、socket_select() は配列内で 変化のあったソケットリソースの数を返します。もし何かがおこる前に タイムアウト時間が経過した場合は、ゼロを返すことになります。 エラー時には FALSE が返されます。エラーコードは socket_last_error() で取得可能です。
注意: エラーかどうかを調べる際には、必ず === 演算子を 使用するようにしましょう。socket_select() は 0 を返す場合もあり、このような場合に == を用いて比較すると、エラーと判定されてしまいます。
注意: ソケットの実装によっては、取り扱いに注意すべきものがあることを 知っておいてください。基本的なルールは以下のとおりです。
基本的に socket_select() のタイムアウトは 指定しないように心がけましょう。もしデータがなかった場合に、 プログラム側でそれを判定できなくなってしまいます。タイムアウトに 依存しているコードは移植性が悪く、デバッグが困難です。
socket_select() のコール後に値をチェックして 適切に処理するつもりがないソケットリソースは、決して配列に追加 してはいけません。 socket_select() から値が返ってきたあとは、配列内の すべてのソケットリソースをチェックする必要があります。すべての書き込み用 ソケットは書き込める必要がありますし、またすべての読み込み用ソケットは 読み込める必要があります。
配列で返されたソケットに対して読み込み/書き込みをする場合には、 指定したデータを必ずしもすべて読み込み/書き込みするとは限らないことを 知っておいてください。たった 1 バイトしか読み込み/書き込みが できなかった場合にも対処できるよう準備しておきましょう。
ほとんどのソケット実装で、
except
でキャッチできる 例外はただひとつ、すなわちソケットが受け取ったデータが帯域外で あったということだけです。
socket_read()、 socket_write()、 socket_last_error() および socket_strerror() も参照ください。